自分の持っている賃貸物件について、仲介業者が契約に結び付けたときにどんなお金の動きが発生するのかご存知ですか?
- なんとなく分かっているけど、正直よく分かってない
- 言われるままに支払ったり受け取ったりしている
そんな大家さんに、契約時に発生するお金の内容をご説明します。
賃貸契約時に発生する費用の中で大家さんに関わるお金の内容
~初月賃料~
ほとんどの大家さんが、家賃は前家賃として当月分の家賃を当月ではなく、前の月である前月中に支払ってもらうようにしています。
例えば、
4月1日から入居の場合は3月中に4月分の家賃を支払ってもらいます。
3月31日からの入居なら、
3月分(一日分を日割り計算)+4月分
の家賃を支払ってもらうという感じです。
~敷金~
敷金とは、大家さんが入居者さんから担保として無利息で預かっておくお金です。
家賃滞納が発生したときや、退去時の原状回復費用等に充当することとされます。
借主から、
今月は収入が少ないので敷金から払っといて下さい。
というように、借主の都合により敷金の使用を請求することはできないことになっており、
敷金を家賃滞納を補うために使用するかどうかは、貸主である大家さんの判断になります。
退去時の原状回復費用とは、
故意や重過失によって借主が入居中にお部屋に傷をつけてしまった場合に、それをもとに戻すためにかかる費用のことです。
借主には、契約した賃貸物件を自分のものより大切に扱う義務があります。
入居開始時と同じ状態で返してもらう必要があります。
(通常の使用をしていても発生する自然損耗・経年劣化を除く)
その責任を理解し、物件を大切に使ってくれる入居者さんもたくさんいると思います。
家賃滞納もなく、特別に修繕する必要もない場合、退去時にはお部屋の清掃費のみで済むこともあります。
その場合は、預かっている敷金が余ることがあるでしょう。
敷金は、大家さんが入居者から担保として預かっているお金です。
ですから、退去時の精算後、余った敷金があれば借主さんへ当然に返さなければいけません。
近年では、敷金に関するトラブルが多発しているそうです。
退去時に見つかった壁や床の傷が、入居時に既にあったものか、入居中にできたものかを巡り揉めてしまうこともあります。
いつからあった破損であるかを、しっかり区別できるように出来る対策があります。
- 入居前に既にある破損部分を写真に撮っておく
- それ以外に借主が見つけた破損があれば入居から1週間以内に申告してもらう
それらのもの以外で、退去時に見つかった破損に関しては借主負担で修繕してもらうなどの特約事項を決めておくことでトラブルを未然に防ぐ手立てになると思います。
ちなみに、有限会社千寿 不動産部では、チェックリストを作りこのようなトラブル防止に努めています。
~礼金~
礼金とは、大家さんが入居者から受取る謝礼金です。
敷金との違いは、
家賃滞納や退去時の原状回復費用に充当する必要はなく、大家さんのためのお金というところです。
大家さんによっては、入居者の負担を考えて入居時の初期費用をおさえることで、スムーズに契約が決まるようにと、礼金無しにする物件も少なくありません。
ですが、礼金を設定する場合には次の点を知っておきましょう。
不動産業者が契約時に一旦預かり、初月賃料・敷金といっしょに大家さんが受け取るべきお金である。
礼金を設定した場合、そのお金は当然に大家さんが受け取るお金です。
一旦不動産業者が預かっている礼金を、大家さんが不動産業者へ支払う手数料と相殺することもできます。
その場合でも、手数料を差し引いて余った礼金があれば、大家さんが受け取ります。
手数料を別で支払う手間を省くことが出来るので、そのような方法をとる大家さんも多いでしょう。
~仲介手数料~
お持ちの物件を、不動産業者が仲介し契約させた場合、仲介手数料として報酬を不動産業者へ支払います。
この仲介手数料は、
賃貸契約では、家賃1ヶ月分+消費税と決まっています。
- 貸主である大家さんから家賃の半分
- 借主から家賃の半分
で合計家賃1ヶ月分というパターンや、
- 借主から賃料1ヶ月分
- 貸主から賃料1ヶ月分
というような支払いパターンがあります。
仲介する不動産業者は基本的に、
貸主である大家さんと入居者である借主から半分ずついただき、合計で1ヶ月分の賃料相当額を受取る方法を提案しますが、
大家さんの意向を聞いて借主さんから承諾をもらった上で、
借主さん側から家賃1ヶ月分を支払ってもらうことができます。
その他、賃貸契約時に発生するお金
ここまで、賃貸契約時にどんなお金が入居者から支払われ、それがどのようなものであるのかについてご説明してきました。
他に、入居者が入居時に支払うお金には
- 火災保険料
- 保証会社委託料
- 共益費(共有部分の維持にかかる費用で毎月大家さんが受取るお金)
などがあります。
また、大家さんは契約を成立させるために必要と考えるのであれば広告料を支払うこともあります。
空室を作らないために、仲介を頼んでいる不動産業者と物件について話し合うことはとても大切です。
以上、賃貸契約が決まったとき不動産業者へ支払うお金と不動産業者から受取るお金について~大家さん(貸主)編~でした。